小説書いてみました〜^^
「大嫌いです」 −マサ→/蘭−
嫌いだ。
大嫌いだ。
俺があいつの顔を見るとぐるぐると回りだすのはこの言葉。
本当は、好きだった。
過去形だけど。
大体、あんなやつなんか好きになること自体おかしかったんだ。
−…霧野蘭丸に
というか、同性同士での恋なんかはしたくなかった。
どちらにしろ、両思いじゃなかったし。
どうやら好きな人がいるらしい。
「先輩、サッカー部の中でも一番誰が好きですか?」
「え、どうした急に…
まぁ、そうだなぁ…言うとしたら神童だな。
幼なじみだしな」
そう言った先輩の顔は幸せそうで、ほころんで、嬉しそうだった。
これを言うと、先輩=ホモとなってしまうが、好きな人は勿論女子だ。
まぁこれが普通なのだけれど。
最近まで構ってくれなくて嫌で、ヤキモチ…とは認めたくないけど。
でも最近になって先輩は…
「今日の動き良かったぞ!」
あ〜そうかよ
「ナイスだ狩屋!!」
嬉かねーよ
でもやっぱり嬉しかったりするくらい、好きなんだなと思う。
言われるたびにドキドキしては、嬉しくなったり、また言われたかったり、あんな言葉だけで赤くなったりする。
でも、意識はしないようにはしている。
意識したら、期待を裏切られることぐらい分かっているからだ。
大体、先輩に意識や期待する事自体間違っていると思うのだ。
(女顔なクセして性格悪いよあの人…)
女顔だからドキドキするんじゃない。
先輩だからドキドキするんだとか認めたくない。
ただ自分がそういうのに少しは興味があるから変に意識してしまうだけだ。
なんて思うけど、やっぱりそんなこともない。
あぁ、はやくこんなことから抜け出したい。
これはきっと終わりのない迷路なんだ。
それは、滅せば済むこと。つまり、こんな感情捨ててしまえば問題ない。
あ〜あ、なんか感情が薄れてきた。
先輩を見ても気にしなくなった。
先輩に喋りかけられても嬉しくなくなった。
先輩に頭を撫でられても気持ちよくなくなった。
重傷だ…。
先輩が好きだから俺だったのに、嫌いな俺が俺になることを体が拒んでいるようで。
嬉しくないのに笑ってしまう。
気持ちよくないのに顔を赤らめてしまう。
「霧野先輩」
気持ち悪い。
同性なんて、気持ち悪い。
くだらない…。
「何だ?」
捨てちまえ、こんな感情。
「先輩…大嫌いです」